逗子市観光協会主催「逗子の魅力を探してウオーキング」古墳見学会実施
1月19日(土)逗子市観光協会主催による「逗子の魅力を探してウオーキング」の会の長柄桜山古墳見学会が行われました。観光協会のスタッフを含め総勢18名の参加で、当会から前川、伊藤、小原の三名がご案内しました。当日はまず、延命寺を訪れ、住職さんのお話を聞いた後、徒歩で葉桜団地に上り、そこで当会のガイド役と合流し、1号墳、2号墳と回りました。素晴らしい天気に恵まれ、逗子の海、江の島、富士山を臨む2号墳からの景色に目を奪われ、ここに古墳を築いた人々の気持ちに思いをはせました。
当会は社会人向け古墳ガイドを積極的に推進しています。ご興味のあるグループは事務局にお問い合わせください。少人数でも大歓迎です。
北九州古墳見学会 (報告:前川)
昨年の大阪見学会、近つ飛鳥博物館で昼食の際、私が不用意に口にした「来年は吉野ケ里か、三内丸山にしましょう」という一言がきっかけで実現したのが今回の旅です。宇野さんという素晴らしいガイドを得て、充実した3日間になりました。当初8名の予定でしたが、1名減の7名で参加しました。
11月27日関東地方は、早朝小雨模様でしたが、天候が回復し機上から富士山の美しい眺めを満喫することができました。午後2時、予定より少し早く福岡空港到着、私の名前を書いたプレートを持った運転手の大口さんと宇野さんに迎えられました。大口さんの運転するジャンボタクシーで空港から国道495号線を北上、宗像大社を目指します。途中、円墳や前方後円墳が密集している津屋崎古墳群を左手に眺め、この地の往時の繁栄を垣間見ることができました。宗像大社神宝館には、沖ノ島から持ち帰った8万点以上の遺物の中から、国宝方格規矩鏡、勾玉、金製指輪、金銅製心葉形杏葉、金銅製龍頭等を中心に収蔵展示されていました。その後、九州は日暮れが遅く少し時間があったので津屋崎古墳群の一つ手光波切不動古墳の石室を見学しました。巨大な石に囲まれた石室は当時の技術力の高さを示しています。
28日は、午前中は平原弥生古墳、伊都国博物館、谷口古墳とまわりました。平原弥生遺跡では、伊都国の中心地というべき平原地区で1965年冬、日本最多の39面もの割られた銅鏡が掘り出され、その中に直径46.5pの日本最大の銅鏡が含まれていました。また発掘調査が進められ東西18m、南北14mの方形周溝墓だと判明しました。伊都国博物館では入り口にその最大の銅鏡レプリカが飾られ、2階常設展示室には平原王墓の出土品を中心に遺跡の模型、多くの鏡などが展示され繁栄の様子を伝えています。谷口古墳は佐賀県に位置し全長88メートルの前方後円墳で、築造は4世紀後半、長柄桜山古墳と同時期です。古墳の登り口付近の公民館横に後円部西石室に納められていた長持形石棺のレプリカが展示されており、当時の加工技術の高さを知ることができます。後円部は東西に2つの石室を持ち現在は東側が保存されており、鏡、剣、玉類などの副葬品の中でも11個の石釧が埋葬されていたことはヤマト王権との関係を物語っています。宇野さんに、石釧は後期になると高さ(厚さ)がますことから、持田遺跡から出土した、石釧との共通点を教示していただきました。お陰様で遠い九州の地でヤマトを通して一気に関東の地へ思いを馳せることができました。昼食後、吉野ケ里遺跡に向かいました。入り口で弥生時代の服装に身を包んだ4名の美人に迎えられ入場券の買い方を教わりました。まずバスで北墳丘墓まで移動し、そのあと徒歩で見学することにしました。北墳丘墓はドームで覆うことにより当時の甕棺による埋葬の様子をそのまま保存しています。埋葬されていた14基の甕棺が2000年以上の時を経て我々に何を語りかけているのかとふと思いました。伊都国博物館にも多くの甕棺が展示されていましが、このように大きな甕棺をどのようにして作ったのか興味を持ちました。材料の土の選び方と焼き方には苦労したと思われます。昨年訪れた大阪の巨大古墳に祀られていた大型円筒埴輪が頭に浮かびました。時は500年以上進みますが、2メートル近い大きな埴輪を焼いた技術は甕棺が始まりではないかと考えました。遺跡の中心地である北内郭は2重の環濠に囲まれており道も攻め込まれにくいように工夫されていました。また遺跡の中で最も重要かつ神聖な場所で、巨大な祭殿をはじめ9棟の建物が復元されています。主祭殿の中では邪馬台国を意識した儀式が人形によって再現されており、見学者は「魏志倭人伝」の世界に思わず引き込まれます。ホテルへの帰途、前述のように九州は日暮れが遅く少し余裕があったので白村江の戦で敗れた天智天皇が大宰府を守るために築いた土塁、水城に寄りました。日本書紀に「…。また、筑紫国に大堤を築き水を貯へしむ、名づけて水城と曰ふ」と記載されている場所です。工法に特徴があり、土塁の下層部に大量の枝葉を混入し基礎地盤を強化していること。また上層部は土質の異なる積み土を10pほどの単位で締め固め積まれていることです。実際に積み土の一部に触れてみましたがまるでコンクリートのような硬さがありました。
29日は朝から晴天に恵まれ見学日和となりました。まず那珂八幡古墳へ、この古墳は3世紀中頃の築造で、初期の前方後円墳です。現在は後円部上に社殿が建てられていますが、周りや後円部上層が削り取られたりして一見墳墓と確認しにくい状態になっています。調査の結果帆立貝形古墳であること。見つかった2基の主体部のうちの1基から三角縁神獣鏡などの遺物が見つかったこと等から、規模は格段に小さいのですが、ヤマトの出現期の前方後円墳と同じ時期のものと推定され、初期ヤマト王権との関係が注目されています。板付遺跡で見つかった水田は「縄文水田」と呼ばれています。実際は縄文、弥生の時代区分の仕方を含めて論議があり、現在は玄海灘沿岸地域ではこの時代、弥生を特徴づける要素が出そろっており弥生時代早期とみなす見解が優勢になっているとのことです。資料館は部屋の真ん中に板付遺跡のジオラマが作られており学芸員の方の説明を受けました。第一印象は現在と変わらない農村の水田耕作風景だと思いました。集落は周りに堀をめぐらし、復元された住居は吉野ケ里に比べるとお粗末なものですが、かえって当時の様子を生々しく伝えており、地下に食物を貯蔵するための倉庫跡(掘立柱建物)や家畜小屋と考えられる遺構なども見つかっています。残念ながら時期的に稲刈りは終わっていましたが現在もなお資料館横の田んぼで当時の稲の栽培が続いていました。最後に福岡市立博物館を訪れました。ここのメインは何といっても金印です。8畳ほどの部屋に一辺が2.3p四方の小さな金印がたった一つ飾られていることからもその貴重さをうかがい知ることができます。東京や大阪で公開されると長蛇の列ができるそうですが、我々はじっくり鑑賞することができました。宇野さんによると、九州に国立博物館建造の話があったとき金印もそちらで展示するよう要請されたそうです。しかし博物館はその話を断り今もここで燦然と輝いています。ただその代償として貴重な遺物を数多く提供したそうです。この話を聞いて今も昔も国のやることに大差はないのかなと思いました。
あっという間に過ぎた3日間でしたが、古代北九州文化の層の厚さや懐の深さを感じる実り多い旅となりました。宇野さん、大口さんをはじめ多くの方々にお世話になりました。この紙面を借りて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
ちなみに今回の費用は57000円です。
日018新発見考古速報」と「縄文展」見学会
全国で毎年8000件近い発掘調査が実施されているという。その出土品を展示し、埋蔵文化財保護への重要性への理解を深める展覧会と位置づけされた「発掘された日本列島2018新発見考古速報」を7月11日(水)、見学にいきました。今回の展示の中に、群馬県金井東遺跡の「甲(よろい)を着た古墳人」のレプリカがありました。説明してる人に耳を傾けると、この甲を着た武人が火山灰の中でどうして甲を着ていたのかという問いがありました。この人の推測は”武人は、噴火に立ち向かい鎮めようとしていた”でした。定番となった築地直送の昼食に舌鼓をうち、今回はみんなで東京国立博物館・平成館で開催されている「縄文特別展」にむかいました。この縄文展では、日本の日本の美の原点にふれることができまし講演会が盛況のうちに終了しました。
日時 2018年7月7日(土)13:30〜16:00
会場 逗子市市民交流センター会議室
講師 田中裕先生(茨城大学教授)
「古墳時代前期社会と交通―長柄桜山古墳を中心に―」
参加者 47名
関東地方の古墳分布と系譜の分析から古墳時代の交通原則、「最大水路・最小陸路の原則」を導き出し、ヤマト王権の東国へのアクセスするための課題を解明されました。また、長柄桜山古墳からみた東国交通ネットワークの特徴を分析し、長柄桜山古墳の性格・位置づけを明確にし、併せ東国の於けるフロンティアの発生と拡大を解くなど、我々にもわかりやすく大変勉強になる講演でした。
@葉山小学校 4月27日(金)4クラス108名 9:35葉桜児童館集合〜2号墳で解散
今年も春の遠足を兼ねて実施されましたが、説明ガイドが4名確保できず1、2組グループと3、4組グループの2つのグループで行いました。子供たちが、昨年同様予定より30分程早く児童館に到着したので余裕をもって移動や説明を行えました。1グループ54名の大人数となりましたが、ポイント1(駐車場)で発見者東家さんの紹介後、比較的スムーズに2号墳まで案内しました。
葉山小では教育委員会の山口さんによる事前学習があるためか、こちらの質問に対し的確な答えがありました。古墳の中央部に登った時、児童から「なにか空気がかわった」という言葉が聞こえてきました。神聖な場所として児童の直感を刺激し思わず言葉が漏れたのかもしれません。後日学校から丁寧なガイドで子供たちはもちろん教員にも興味深い歴史の話でとてもありがたかったという感想が寄せられました
葉山小学校古墳見学風景
A5月22日(火)長柄小学校3クラス81名 葉桜汐見公園前で集合〜2号墳にて解散
13:50開始されましたが、天候も良く強い日差しの下での見学となりました。階段上の道路に集合してスタッフの紹介や諸注意を行いました。ポイント1の駐車場で発見者東家さんの紹介とご本人からの一言をいただき、2号墳まで順調にガイドを終えました。今回は伊藤さんが説明ガイドデビューでした。緊張されていたようですが最後まで無事案内されました。少しお疲れになったようですが当会にとっては新ガイド誕生ということで喜ばしい限りです。
投げ小学校古墳ガイドの風景
B久木小学校 5月23日(水)3クラス103名 中央公園集合〜2号墳
担当 東家、浜野、西村、娚杉、伊藤、前川、高橋、百瀬
当初中央公園集合後見学を始める予定でしたが、久木小学校が給水塔わきの山道を登ってきたため連絡を受けたときは3クラスとも1号墳の入り口付近まで到達していました。集合場所の確認に手違いがあったようです。付近の住民のことも考慮し、まず3組と2組は1号墳まで上がりそこでスタッフの紹介と説明を始めました。予定では3組は伊藤さんが2度目の説明ガイド役でしたが、バタバタする中、前川が説明を始めてしまい伊藤さんには申し訳ないことをしてしまいました。ポイント1での他の古墳の存在、ポイント2での地権者根岸さんのことなどは途中で説明を加え2号墳まで無事ガイドを終えました。
児童からは自分たちは昔栄えたところに住んでいることを知った。先生からは説明がよく分かった旨のお話をいただきました。
久木小学校これから古墳に上ります
以下初めて古墳ガイドを説明をされた会員の伊藤さんの感想文です。
初めての古墳説明ガイド
5月22日(火)長柄小学校6年生の説明ガイド役を初めて経験しました。
前川さんからは一人で練習する時「声を出す。その際は大きな声で」と助言を
実際に覚えた内容を声に出し、小学生諸君に興味を持って聞いてもらうことがいかに難しいかを痛感した次第です。
会員の皆様にはさらなるご指導をいただけますようお願いいたします。
小学校生徒への古墳ガイドを実施しました。
@逗子小学校
4月19日(木)4クラス 160名 富士見公園集合?2号墳で解散
担当:東家、濱野、娚杉、西村、伊藤、高橋、百瀬、田中、前川
今年は遠足をを兼ね、人数も昨年より20名増え160名の大集団なので 2グループにわけ学校出発を30分ずらしていただきました。
現存する神奈川の古墳のなかで最大という点が生徒の心に残った様で自分たちの暮らしているところを再確認するような感想が聞かれました。
A葉山小学校
4月27日(金)4クラス108名 9:35葉桜児童館集合?2号墳で解散
担当:東家、濱野、西村、前川、伊藤、高橋、百瀬
今年も春の遠足を兼ねて実施されましたが、説明ガイド4名を確保できず1,2組グループと3,4組グループの二つのグループで行いました。
子供たちが30分ほど予定より早く児童館に到着したので余裕をもって移動や説明を行えました。1グループ54名の大人数となりましたが、ポイント1(駐車場)で発見者東家さんの紹介後、比較的スムーズに2号墳まで案内しました。
社会人グループへの古墳ガイドを行いました。
@鎌倉ハイランド遊歩会
3月23日(の金)9:30葉桜バス停で合流し1号墳経由2号墳までガイドを実施しました。予定では前日の22日に30名参加でしたが、あいにくの降雪で順延し18名になりました。しかし雪のおかげで2号墳からの富士山の景観が見事で歓声が上がるほどでした。さらには自分たちの居住地ハイランドを逗子の街を挟んで逆サイドから見られたことを大変喜ばれていました。娚杉、堀川、濱野の3名で対応しました。
A逗子まちなかアカデミー
昨年講演を依頼された同会のサードエイジ連続講座の課外事業として、実際に古墳を歩きましょうという企画が、3月25日(日)21名の参加を得て実施されました。参加者は逗子駅前で集合しバスで移動後、私たち(西村、濱野)とバス停で合流。一部遅刻者があったので待ち時間を概要説明でつないだのち、1号墳、2号墳、休憩所と回り散会しました。
参加者から次のような感想が寄せられました。
・いい天気で、緑に囲まれた古墳の森を、素晴らしい解説を聞きながら皆さんと歩いて楽しかった。その時代を理解できました。
・40年逗子に住んでいて、長柄桜山古墳に来たのは初めてだった。いい機会を得て良かった。
古墳案内事業 (報告:M野)
大阪大学考古学研究室
10月29日(日)教授および学生33名が新横浜集合のうえ、バス1台を仕立てて古墳に来訪。阪大にわざわざお出で頂くなんて長柄桜山も捨てたものではないと再認識しました。当日は古墳に珍しく青年のパワーがみなぎりました。この後秋葉山古墳に回り、夜は箱根宿泊だとか。今回は教委への依頼案件ですが、特に同行させていただきました。
【案内役】(教委)山口、佐藤 【同行】東家、M野、小原、大日方】
関東学院大学社会連携センター
11月4日(土)同センターとのコラボ企画講座の一環で、受講生13名が古墳見学に来られました。13:30逗子駅前で私と合流し、バスに乗り葉桜バス停へ。迎えた東家さんから発見の経緯を説明していただきました。
そこから、1号墳、2号墳と進みましたが、通常より丁寧なガイドとなりました。下山は西村さんが脇村邸を経由して新逗子まで送りました。
【案内役】東家、西村、M野
葉桜自治会文化部
11月5日(日)9:30から20名の参加者を得て実施。最近葉桜に移られた方を主な対象と考えたそうですが、それ以外もおられたようです。普段単なる山としか見えなかったけど説明を受け良く分かりました、との感想でした。古墳マニアには全国区ですが、逗子葉山では、知らない人も多い長柄桜山古墳群。地元の歴史遺産を知ってもらおうと
葉桜自治会が企画した見学会です。
【案内役】東家、西村、高橋、百瀬、M野
関東学院大学社会連携センターとのコラボ企画事業報告 (報告:前川)
逗子市市民共働課の依頼により関東学院大学社会連携センター主催による講座を引き受けました。受講者は10名程度でしたが皆さん古墳やその時代背景に興味を持たれ熱心に学習されました。1回目は10月21日、当会の小原副会長が講座を受け持ち、長柄・桜山古墳の規模や築造方法等その特徴、地理的環境や歴史的背景について講義しました。2回目11月4日は浜野会長の案内で1号墳と2号墳を見学しました。3回目11月18日は葉山町教育委員会生涯学習課研究員山口さんに、古墳前期の三浦半島の遺跡の様子、県内にある長柄・桜山古墳と同時代の古墳の分布やその特徴、埋葬品等について講義していただきました。関東学院大学金沢キャンパス内の2回の講義は広い半円形教室で行われました。受講者の数が少なくちょっと寂しい感じでしたが、受講者の方からは、こじんまりとして和気あいあいとした雰囲気が良かったとの感想がありました。
大阪古墳見学会の報告
(*この見学会は有志によるもので、費用は全て各自負担で行っています。)
(報告 : 前川)
11月15日(水)〜17日(金)にかけて大阪の古墳見学に出かけました。参加者は神奈川から5名、栃木から2名、現地で1名、計8名の構成です。今回は私が幹事役を仰せつかり主に交通機関の手配や会計等を受け持ちました。初日は堺市博物館で13:30の待ち合わせです。神奈川組は飛行機を利用したため時間に余裕がなく、13:30ぴったりに到着するというタイミングでした。ガイドさんへの挨拶もそこそこに博物館でビデオを視聴し、その後栃木組や現地組(昨年の奈良見学でお世話になったジャンボタクシーの運転手さん伊藤さんとその奥さんが参加)の方々と挨拶を交わし、見学会が開始されました。ガイドの方の先導で百舌鳥古墳群を巡りましたが、長柄桜山古墳に比べその規模の大きさに驚くと同時に圧倒されました。そして、権力と富の違いを肌で感じることができました。最後は三国ヶ丘駅の屋上展望台から百舌鳥古墳群の夕暮れを見ました。1500年以上前の風景を垣間見たような気がしました。
二日目は古市駅で近つ飛鳥博物館館長の白石先生の後輩にあたる細見さんと待ち合せ,彼の案内で古市古墳群をめぐりました。現地ガイドの方も数名参加され10名を超える数にな りました。墓山古墳見学の後、羽曳野市の文化財整理室に案内され、大型埴輪を見せていただきました。古墳中期から後期にかけて制作された円筒埴輪は幅も広く高さが2m近くあり、当時これをどのようにして作ったのか、また応神天皇陵には、このような埴輪が2万基近く埋められていたこと等を伺い、作り方への疑問と同時にその技術力や組織力に驚嘆しました。そして応神天皇陵付近にあるアリ山古墳北施設には人体の埋葬跡はなく道具類のみ埋葬してある旨のお話を聞き、当時の鉄の希少価値を考えると、何故そのようにしたのか大いに興味を惹かれました。その日の最後は土師ノ里駅で、当時埴輪を大量に作ったであろう土師氏の里から難波に戻りました。
最終日は前日と同じく古市駅で待ち合わせ、車を2台用意していただき、ほとんど歩くこともなく比較的楽な見学となりました。日本最古の街道、竹ノ内街道を通り叡福寺へ、街道沿いには今でも古い地名が残り往時の歴史を物語っていました。エジプトにちなんで王家の谷と呼ばれる一角にある叡福寺は聖徳太子を祀った寺で、背後に聖徳太子墓古墳があり、地域では「太子」さんと呼ばれ親しまれています。谷には推古天皇陵、用明天皇陵、敏達天皇陵等、太子ゆかりの王たちの墓陵が築かれていました。次に白石先生の待つ、近つ飛鳥博物館を訪問しました。建築家安藤忠雄さんによる設計で建造された建物は古墳をイメージしコンクリート打ち放しの斬新なものでした。白石先生にご挨拶し記念写真を撮った後、学芸員の方に館内を案内していただきました。博物館は日本では珍しく古墳時代に特化した展示で、中央に前方後円墳のモニュメントが作られており一段高くなった所に古墳を囲むように棺や埴輪、埋葬品等が展示されていました。時間が許せばじっくり見たかったのですが、残念ながら帰りの飛行機の時間の関係で少し速足での見学になってしまいました。もう一度訪ねて心置きなく見たいものです。
少し寒かったですが、お陰様で天候にも恵まれ充実した三日間を過ごすことができました。私もこんなに集中して多くの古墳を見て回ったのは初めてです。細見さんが二日目に口にされた「古墳疲れ」という言葉が妙に頭に残りました。この場をお借りして手配してくださった鈴木さん、現地で快くガイドを引き受けてくださった細見さんはじめ、学芸員さんやガイドさんに厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。来年は「疲れ」ることのないように吉野ケ里遺跡訪問を考えています。楽しみにしておいてください。
「古代史学び隊」今年度3回目の講演会が開催されました。
10月15日(日)13:30〜16:30 逗子市市民交流センター会議室
講師:田中史生先生 「4・5世紀の倭と東国とアジア」
長柄桜山古墳が造営された時代のヤマト王権と東国とのかかわりを東アジアの国際情勢の中で捉えていく迫真の講義にひきこまれました。田中先生ファンの方々も多く参加され会場は満員となり熱気あふれる講演会となりました。
逗子市社会福祉協議会から表彰を受けました
当会は逗子市社会福祉協議会の参加団体ですが、今般当会の活動に対し表彰されました。
10月2日表彰状の授与式が行われ、当会を代表して浜野会長が感謝状をいただきました。
「古代史学び隊」第3回講演会のお知らせ
2017年度「古代史学び隊」第3回講演会
10月15日(日)13:30〜16:00
講師:田中史生先生(関東学院大学教授) 「4・5世紀の倭と東国とアジア」
会場:逗子市市民交流センター会議室
参加費:500円
お申込み ・お問合せ 長柄・桜山古墳をまもる会
小原克馬
まだ、定員に若干の余裕があります。お申込みはお早目に上記まで
甲斐の古墳を訪ねるバス見学会・実施報告 (報告:大日方佳子)
9月2日雨の降る逗子を西川先生と23名で山梨に向かいました。
天候が気に浜野会長の念力で山梨は快晴。少し暑いくらいでした。塚梨考古博物館・曽根丘陵公園・釈迦堂博物館を見学してきました。
西川先生及び、参加者の皆さまありがとうございます。
来年も役員一同バス見学会を企画しますので、ご期待ください
台風15号の影響で大雨が降る中、山梨県の古墳見学のバス旅行に参加させて頂いた。雨の中での古墳見学を想像すると「いやだなー」と思っていました。しかしネクスコ中央道を走って行くと天気が良くなってきて、思わず嬉しくなった。バスの中では先生の古墳に関するお話を聞くことが出来て、素人にもためになった。 最初の古墳・岡銚子塚についた。リニア新幹線実験線の上に在り、綺麗に整備された公園と成っていた。円墳の上からは甲府盆地が一望出来て素晴らしい眺めであった。その後、「宮古」で昼食をとった。昼食後、博物館や甲斐銚子塚古墳(写真B)曽根古墳群等を見学した。学芸員の先生のお話を聞き、かつて山梨県が如何に豊かな国で有ったかを知ることが出来ました。逗子葉山を目指して帰ったが、途中の釈迦堂SAに在る「釈迦堂博物館」で縄文土器群の展示を見て、またまたびっくりした。よくぞこれだけ発掘したものだと、ただただ驚いた。また我々のご先祖様が良く元気に活動されていたものと、改めて敬服するとともに、日本人に生まれて良かったと再確認した。
一般参加の私にも旅行を楽しませて頂き、尚且つご親切に扱って頂き感謝する次第です。
「古代史学び隊」第2回講演会開催
8月27日(日)13:30〜16:00 逗子市市民交流センター会議室
講師:西川修一先生「古墳時代の木上交通について―長柄桜山古墳の海洋性―」
西川先生の講演は、古墳時代の海上交通の重層性、長柄桜山古墳群の性格についての解説で、豊富な資料に基づいて我々にもわかりやすく、またいつもの通りの熱弁で熱気あふれる講演会となりました。
なお、第3回講演会は10月15日(日)田中史生先生、講演テーマ「4,5世紀の倭と東国とアジア」で開催されます。まだ席数に余裕がありますので、これからでも参加したいと思われる方はぜひ応募ください。
お問合せ、申し込みは小原(tel/fax046−871−3187)まで。
逗子市カモミールでの講演
7月19日(水)於:カモミール 講演者:西村さん(当会事務局長)
カモミールは逗子市の障害者のための就労支援事業所です。メンバーは、リサイクルショップ・カモミールや逗子市池子の高齢者センター内のレストラン・キッチンカモミールなどで働いており、また、神社や公園などの除草作業にも従事しています。5月には市からの委託を受け、長柄桜山古墳1号墳の除草作業を行いました。そこで、古墳のことをよりよく知っていただくために当会の西村事務局長が「古墳って何だろう」のお話をいたしました、参加された皆さんはとても熱心に聞き入っていました。
「古代史学び隊」講演会の開催
今年度第1回の講演会が開催されました。
7月16日(日)13:30〜15:30 逗子市市民交流センター会議室
講師:白井久美子先生 「前方後円墳で辿る古代の東国路」
さすが白井先生です、豊富な資料に基づき、ヤマト王権と東国のかかわり、東国における前方後円墳波及のプロセスなどにつき我々にもわかりやすく、丁寧に解き明かしていただきました。
なお、第2回講演会は、8月27日(日)講師:西川修一先生、第3回講演会は10月15日(日)講師:田中史生先生で開催されます。会場はいずれも逗子市市民交流センター、13:30〜16:00までとなっております。席数に余裕がありますので、これからでも聞いてみたいと思われる方は、ぜひご応募ください。
お問合せ、申し込みは小原(TEL/FAX 046−871−3187)まで。
「古代史学び隊」バス見学会の詳細
バス見学会の詳細日程のご案内です。
9月2日(土)
6:50 逗子交流センター横 集合
7:00 出発
行程 笛吹矢代ふるさと公園(岡銚子塚古墳)→昼食→山梨考古博物館→曽根丘陵公園
(丸山古墳〜方形周溝墓)→天神塚古墳
19:00頃 逗子帰着
現在定員に若干名の余裕があります。参加費(会員)5,000円(一般)6,000円
お問0日(火)湘南ビーチFMのソフトな語り口で評判を呼んでいるパーソナリティーの森川いずみさんから声をかけられて 、10時40分からの15分番組に生出演しました。
当日は長柄桜山古墳群とはという説明から入り、続いて当会の通常の活動を紹介しました。さらに森川さんから「今年は古墳 の国指定15周年に当たるそうですね」と上手にふられ、おかげで古代史学び隊の活動内容をスムーズに話すことができまし た。さすがは名パーソナリティーといわれる森川さん、見事です。東家さんの古代史サロンのこともご存知で、気分がよくなり、最後は新入会員大募集と訴えて無事終了することができました。(浜野)
葉山町・まちづくり展に参加
5月26日(金)〜28日(日)葉山福祉文化会館にて「第17回・葉山まちづくり展」が開催され、当会は日ごろの活動を紹介するパネル展示で参加しました。
市民活動23団体と二つの協会が展示企画で参加、13団体がホール、ホワイエ、会館前ロータリー、上山会館などで、イベント企画で参加しました。南郷中学校からは、1年生約100名が見学に来てくれました。(西村)
「ちょっと昔の逗子のお話の会」で講演
逗子を中心に、明治から昭和にかけての様々な市井の出来事を記録にの腰、講演会や絵本などを作成している市民団体「ちょっと昔の逗子のお話の会」(会長:野村昇司氏)からの依頼でジョイントイベント「ちょっと昔の逗子のお話の会・講演会」で当会浜野八十一会長が講演を行いました。
講演会は第1部「長柄桜山古墳の謎」(浜野氏)、第2部「なぜ残ったの古墳の奇跡」(野村氏)の二部構成で、会場の逗子市民 交流センター会議室には大勢の参加者か来られ、みなさん熱心に聞き入り、かなり専門的な質問もあり、充実した講演会となりました。(西村)
第11回古代史サロン 逗子市 新宿会館2階
今回のテーマ 長柄桜山古墳1号墳の発見者 東家洋之助さんが語る「考古学覚書」
今回は、長柄桜山古墳1号墳の発見者東家洋之助さん(当会顧問)に今までの研究活動を振り返りながら、考古学研究の実際、長柄桜山古墳の特性などにつき語っていただきました。
参加者も30名を越える盛況で、なごやかな中にも活発な意見交換がかわされました。
なお、東家さんは今月で88歳のお誕生日を迎えるため、参加者でひそかに色紙の添え書きをまわし、サプライズで東家さんの米寿のお祝いをいたしました。東家さん、今後もお元気で当会活動をご指導ください。
葉山町・南郷中学校FGC古墳ガイド
6月21日(水)南郷中学校FGC(Find Good−life Community)活動のメンバーに古墳ガイドを実施しました。当日はあいにくの雨だったため、古墳の実地見学は中止し、市民交流センターでの座学としました。
当会の副会長で学芸員の小原氏から「古墳てなあに?」というテーマで弥生のお墓と古墳時代のお墓の違い、マツリの仕方や長柄桜山古墳についての解説があり、メンバーは真剣に聞き入っていました。(大日方)
第11回「古代史サロン」開催のお知らせ
とき 7月6日(木)13:30〜16:00予定
ところ 逗子市新宿会館2階
参加費 500円(ビール・飲み物・お菓子つき)
今回のテーマ 長柄桜山古墳1号墳の発見者 東家洋之助さんが語る
「考古学覚書」
参加申し込み 6月30日までに下記へ
娚杉(めおとすぎ) ? 090−2311−5650(SMSもご利用ください)
携帯メール uchi-4.8.meo@docomo.ne.jp
「古代史学び隊」参加者募集
本年は長柄桜山古墳群の国史跡指定15周年に当たります。当会活動もこれを念頭に置き、統一テーマを「東国の古墳時代」とし、講座・見学会を通じて関東地方の古墳の形成・発展・ヤマト王権とのかかわりを学ぶ活動といたしました。活動の詳細は下記のようになります。
◎公開講座
第1回 7月16日(日) 白井久美子先生(房総の村・主任研究員)
「前方後円墳で辿る古代の東国路」
第2階 8月27日(日) 西川修一先生(神奈川県立旭高校教諭)
「古墳時代の海上交通について
−長柄桜山古墳の海洋性―」
第3回 10月15日(日) 田中史生先生(関東学院大学教授)
「4・5世紀の倭と東国とアジア」
参加費:3回合計で1,500円
会場はいずれも逗子市市民交流センター2階会議室(第2.第3会議室)
定員60名
開始時間 13:30〜16:00
◎バス見学旅行
日時 : 9月2日(土)
見学先 :山梨県の古墳を巡る
岡銚子塚古墳、山梨考古博物館、丸山古墳・方形周溝墓 他
参加費 :5、000円(会員)、6,000円(一般)
定員 :26名
◎皆さまの積極的なご参加をお持ちしております。
秋の一日、埼玉県行田市の「さきたま古墳群」を見学して来ました。
公園には5〜7世紀始めに造られたという、9基の大型古墳が群集していました。
今回の見学で、私が一番楽しみにしていたのは、この夏上野の博物館で見た稲荷山古墳出土の「稲荷山鉄剣」の実物をみることでした。博物館でレプリカを見た時、そこに刻まれている小さな金象嵌の文字の精巧さに驚きました。同時に発掘され展示されている、素朴な「はにわ」等とはまったく異なった緻密な技が用いられていたからです。
園内にある「県立さきたま史跡の博物館」に展示されている「国宝・金錯銘鉄剣」には、百十一文字の金象嵌の文字が刻まれていて、その製造年も、辛玄の年(471)七月と明確なのです。長い年の経過により厚くついたサビを削ぎ落した後にも、金色細い文字は、ただ表面に書いてあるのではなく、細い金を一文字ずつ深く埋め込む、螺鈿の技術を用いてあるので、サビと共に剥落することなく、鮮明に残ったのです。この銘文の古代史上の発見の意義は大きく、国家の成り立ちを読み解く貴重な手がかりになるということです。古代の人の技に簡単するばかりです。
整備された、広々とした公園に散在する古墳群を散策するのは楽しく、このように一か所でまとまって見学出来たのは、なによりでした。
公園にあった杉の原種であるという「メタセコイア」は、恐竜時代に絶滅したと考えられた杉の種が、中国で発見され、現在では世界中に広がっているということでした。ほっそりとした美しい杉の林は、少し色づき始めていました。
大型円墳 丸墓山古墳
● バス見学会に参加して (寄稿 : 斎藤直美)
10月22日(土)「古代史学び隊!古墳バス見学会」に参加しました。
西川先生やさきたま史跡の博物館、行田市郷土博物館の学芸員の方々のお話をうかがいイメージが広がって楽しい見学会でした。
最初の見学先の埼玉県・さきたま古墳群で見た稲荷山古墳から出土した鉄剣の金文字は、すこし丸みがかった形で、じっと見ていると作り手の姿がうかんでくるようでした。
広い平地にいくつも古墳が並んでいるのは不思議な感じです。交通の要所であったというこの土地に大きな古墳がいくつも作られた理由は?どんな権力者がいて、人々はどんな
働き方をしたのだろうと想像がふくらみます。
午後に行った、八幡山古墳の石室も迫力があ りました。石室の中に入ることができ、積んである石を真近かに見て、触って、空気を感じて、またまた想像の世界へ・・・・
見学会に参加することの楽しさは、その土地の空気の中に立ち、実物を見て、時に触って感じられることです。そしてなにより、その感動を一緒に行ったメンバーと共有できる!!
西川先生そして役員のみなさま、楽しい見学会をありがとうございました。
(八幡山古墳石室)
大阪古墳見学会の報告
(*この見学会は有志によるもので、費用は全て各自負担で行っています。)
(報告 : 前川)
11月15日(水)〜17日(金)にかけて大阪の古墳見学に出かけました。参加者は神奈川から5名、栃木から2名、現地で1名、計8名の構成です。今回は私が幹事役を仰せつかり主に交通機関の手配や会計等を受け持ちました。初日は堺市博物館で13:30の待ち合わせです。神奈川組は飛行機を利用したため時間に余裕がなく、13:30ぴったりに到着するというタイミングでした。ガイドさんへの挨拶もそこそこに博物館でビデオを視聴し、その後栃木組や現地組(昨年の奈良見学でお世話になったジャンボタクシーの運転手さん伊藤さんとその奥さんが参加)の方々と挨拶を交わし、見学会が開始されました。ガイドの方の先導で百舌鳥古墳群を巡りましたが、長柄桜山古墳に比べその規模の大きさに驚くと同時に圧倒されました。そして、権力と富の違いを肌で感じることができました。最後は三国ヶ丘駅の屋上展望台から百舌鳥古墳群の夕暮れを見ました。1500年以上前の風景を垣間見たような気がしました。
二日目は古市駅で近つ飛鳥博物館館長の白石先生の後輩にあたる細見さんと待ち合せ,彼の案内で古市古墳群をめぐりました。現地ガイドの方も数名参加され10名を超える数にな りました。墓山古墳見学の後、羽曳野市の文化財整理室に案内され、大型埴輪を見せていただきました。古墳中期から後期にかけて制作された円筒埴輪は幅も広く高さが2m近くあり、当時これをどのようにして作ったのか、また応神天皇陵には、このような埴輪が2万基近く埋められていたこと等を伺い、作り方への疑問と同時にその技術力や組織力に驚嘆しました。そして応神天皇陵付近にあるアリ山古墳北施設には人体の埋葬跡はなく道具類のみ埋葬してある旨のお話を聞き、当時の鉄の希少価値を考えると、何故そのようにしたのか大いに興味を惹かれました。その日の最後は土師ノ里駅で、当時埴輪を大量に作ったであろう土師氏の里から難波に戻りました。
最終日は前日と同じく古市駅で待ち合わせ、車を2台用意していただき、ほとんど歩くこともなく比較的楽な見学となりました。日本最古の街道、竹ノ内街道を通り叡福寺へ、街道沿いには今でも古い地名が残り往時の歴史を物語っていました。エジプトにちなんで王家の谷と呼ばれる一角にある叡福寺は聖徳太子を祀った寺で、背後に聖徳太子墓古墳があり、地域では「太子」さんと呼ばれ親しまれています。谷には推古天皇陵、用明天皇陵、敏達天皇陵等、太子ゆかりの王たちの墓陵が築かれていました。次に白石先生の待つ、近つ飛鳥博物館を訪問しました。建築家安藤忠雄さんによる設計で建造された建物は古墳をイメージしコンクリート打ち放しの斬新なものでした。白石先生にご挨拶し記念写真を撮った後、学芸員の方に館内を案内していただきました。博物館は日本では珍しく古墳時代に特化した展示で、中央に前方後円墳のモニュメントが作られており一段高くなった所に古墳を囲むように棺や埴輪、埋葬品等が展示されていました。時間が許せばじっくり見たかったのですが、残念ながら帰りの飛行機の時間の関係で少し速足での見学になってしまいました。もう一度訪ねて心置きなく見たいものです。
少し寒かったですが、お陰様で天候にも恵まれ充実した三日間を過ごすことができました。私もこんなに集中して多くの古墳を見て回ったのは初めてです。細見さんが二日目に口にされた「古墳疲れ」という言葉が妙に頭に残りました。この場をお借りして手配してくださった鈴木さん、現地で快くガイドを引き受けてくださった細見さんはじめ、学芸員さんやガイドさんに厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。来年は「疲れ」ることのないように吉野ケ里遺跡訪問を考えています。楽しみにしておいてください。
甲斐の古墳を訪ねるバス見学会・実施報告 (報告:大日方佳子)
秋の一日、埼玉県行田市の「さきたま古墳群」を見学して来ました。
公園には5〜7世紀始めに造られたという、9基の大型古墳が群集していました。
今回の見学で、私が一番楽しみにしていたのは、この夏上野の博物館で見た稲荷山古墳出土の「稲荷山鉄剣」の実物をみることでした。博物館でレプリカを見た時、そこに刻まれている小さな金象嵌の文字の精巧さに驚きました。同時に発掘され展示されている、素朴な「はにわ」等とはまったく異なった緻密な技が用いられていたからです。
園内にある「県立さきたま史跡の博物館」に展示されている「国宝・金錯銘鉄剣」には、百十一文字の金象嵌の文字が刻まれていて、その製造年も、辛玄の年(471)七月と明確なのです。長い年の経過により厚くついたサビを削ぎ落した後にも、金色細い文字は、ただ表面に書いてあるのではなく、細い金を一文字ずつ深く埋め込む、螺鈿の技術を用いてあるので、サビと共に剥落することなく、鮮明に残ったのです。この銘文の古代史上の発見の意義は大きく、国家の成り立ちを読み解く貴重な手がかりになるということです。古代の人の技に簡単するばかりです。
整備された、広々とした公園に散在する古墳群を散策するのは楽しく、このように一か所でまとまって見学出来たのは、なによりでした。
公園にあった杉の原種であるという「メタセコイア」は、恐竜時代に絶滅したと考えられた杉の種が、中国で発見され、現在では世界中に広がっているということでした。ほっそりとした美しい杉の林は、少し色づき始めていました。
大型円墳 丸墓山古墳
● バス見学会に参加して (寄稿 : 斎藤直美)
10月22日(土)「古代史学び隊!古墳バス見学会」に参加しました。
西川先生やさきたま史跡の博物館、行田市郷土博物館の学芸員の方々のお話をうかがいイメージが広がって楽しい見学会でした。
最初の見学先の埼玉県・さきたま古墳群で見た稲荷山古墳から出土した鉄剣の金文字は、すこし丸みがかった形で、じっと見ていると作り手の姿がうかんでくるようでした。
広い平地にいくつも古墳が並んでいるのは不思議な感じです。交通の要所であったというこの土地に大きな古墳がいくつも作られた理由は?どんな権力者がいて、人々はどんな
働き方をしたのだろうと想像がふくらみます。
午後に行った、八幡山古墳の石室も迫力があ りました。石室の中に入ることができ、積んである石を真近かに見て、触って、空気を感じて、またまた想像の世界へ・・・・
見学会に参加することの楽しさは、その土地の空気の中に立ち、実物を見て、時に触って感じられることです。そしてなにより、その感動を一緒に行ったメンバーと共有できる!!
西川先生そして役員のみなさま、楽しい見学会をありがとうございました。
(八幡山古墳石室)
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TEL 046-871-3187
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